インターネットマーケティングを始める前に…

簡単で効果的なやり方ってないの?

ビジネスを始める、マーケティングを始める、集客を始める......
そんな時に多くの人が簡単にできるやり方はないか、効率的なやり方はないか、裏技的なものはないか、といったように「手法」に目がいきがちです。

しかし、ビジネスや集客において最も大切なことは手法ではありません。
さらに言えばこれはビジネスや集客に限ったことではありません。

例えばこれが戦争であった場合、手法=戦術です。
これは◯◯流剣術といった剣の太刀筋であったり、どこのメーカーの銃といった武器の違いでしかありません。
戦争であれば大局を見通した上での戦略の方が大事なのです。

戦略というのはどのタイミングで攻めて、どんな状況であれば退いてといった戦いの流れや、戦いにおける考え方です。
もっと簡単にイメージするのであれば将棋を思い浮かべてみるといいかもしれません。

将棋で使う駒はそれぞれが戦術のための駒で互いに戦術の力の差はありません。
同じ駒を使っているにも関わらず将棋が強い人がいるのは駒の使い方、つまり戦略、勝つための考え方がしっかりしているからに他なりません。

戦略がしっかりしているのであれば飛車角落ち(駒を減らすハンデを負うこと)でも勝つことができるのです。戦略は戦術を遥かに凌駕するといっても過言ではありません。
いつまでも飛車がどうとか、角がどうとか戦術に頼っていても勝つことなどできないのです。

今回のコラムではそんな戦略、ビジネスにおいての考え方を「マインドセット」として紹介します。

 

マーケティングにおけるマインドセット

マインドセットというのは簡単にいうと「ものの見方」です。物事を判断したり行動したりする際に基準とする考え方で、
状況や立場、目的によってマインドセットは変わります。

例えば、会社内での会議なら目立ちたいと思っている人であれば、
質問があれば必ず手をあげて発言しようというマインドセットを持ってますし、

逆に目立ちたくないと思っている人であれば、もし質問があったとしても
会議が終わった後個別で聞きに行こうというようなマインドセットを持っています。

学生さんであれば出席数さえ稼げればいいと思って学校に通っている人と、
この科目をこの先生のもとで学びたいと思っている人とでは通学にあたってのマインドセットが変わって来ます。

これらのマインドセットはどれが良い、どれが悪い、と一概に言うことができません。

なぜならば先に述べたように、状況や立場、目的によってマインドセットは変わるからです。
なのでマインドセットに関しては自分の目的や状況に応じたマインドセットを持つ必要があります。

マーケティングにおいても、マーケティングをする上で持っていなければならないマインドセットがあります。
マーケターとしてのあり方と言ったらわかりやすいかもしれません。

やはり目的に沿ったマインドセットを持っているか、持っていないかでその行動に対する成果は大きく変わってしまいます。
しっかりと適切なマインドセットを持ちながら実践、学習をしていきましょう。

マーケティングにおけるマインドセットは大きく2つあります。

  • 全てはテスト
  • コアから考える

この2つです。それぞれ詳しく説明していきます。

全てはテスト

マーケティングを行なっていく上で一つ目のマインドセットとして『全てはテスト』という考え方があります。

多くの人は何かに挑戦するとき、一歩踏み出すとき失敗を恐れたり、怖気付いたりしてなかなか行動に移すことができません。

しかし行動しなければ結果が出ないどころか何も始まりません。結果が視覚化できるようになり、データが取れるようになって来て初めて問題点や改善点が見つかり、それに対しての対策を取るなどアプローチをすることでより良い結果を生み出すことができます。

さらに言えばコミュニケーションの正解とはそもそも相手が持っているもので、自分の中で勝手に正解を決めつけてはいけません。マーケティングやビジネスをしていく上での考え方を持つのであれば尚更です。

自分の価値観を相手に押し付けたり、勝手な妄想でこれがいいだろうと思い込んでいてもそれは自己満足でしかないのです。


マーケティングは、自身の目的に対する成果を最大化するために、
相手の目線に立って発想し、行動することとして、あらゆるシーンで応用することができるものです。

今回の「全てはテスト」という考え方も
①「自身の目的の成果を得ること」②「相手目線に立つこと」
の二つの軸で考えることができます。

ではそれぞれ具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか?

①自身の目的の成果を得ること

目的や、成果、と言われてもイメージはできるが具体的にはわからないと言うこともあるかと思いますのでそれぞれ考えていきましょう。

まず、目的と目標は異なる、というところから始める必要があります。

目的は具体的な目指す数値で表現のできない、目指す方向性やなりたい像のことを指します。
一方で目標は常に具体的で、いつまでに、どれくらい達成するのか、実際達成できたのかできなかったのか、
白黒はっきりつけられるもののことを指します。

例えば、
「プロ野球選手なってかっこいい自分になりたい!」と言うのは、かっこいいかどうか、と言うのは数値化することが難しい問題です。抽象度の高い方向性の内容なので目的の話になります。

「22歳までに野球のプロテストに合格する!」と言うのは
「22歳まで」という期日と、「プロテスト合格」という明確な成果基準があるので
具体的な数値、成果基準があるので目標の話になります。

目的の成果を得るために目標を立て、
その目標を達成していくことが目的の成果を作っていくというものになります。

目標達成のために用いられるフレームワークは世の中にいくつも存在するので自分にあったフレームワークを探して見てもいいかもしれません。

フレームワークというのは問題解決のための思考手法で有名なもので言えばPDCAサイクルなどが挙げられます。

※PDCAとは、Plan・Do・Check・Actionのそれぞれの頭文字をとったもので、
問題を発見、解決していくプロセスの組み立て方の一つです。

目標・目的を明確化し、少しずつテストを繰り返して最適な状態に寄せていくという発想を大事にしてください。

何事においても同様ですが、一度でうまく行かせるということは至難の技です。
小さな失敗を繰り返して正しい方向に寄せていくこと、
全てがテストだと思って積極的に挑戦しデータをとっていくことがマーケティングでは重要となってきます。

②相手目線に立つこと

「相手目線くらいわかる」と思っているかもしれませんが改めて具体的に考えてみましょう。
あなたにとっての相手とは誰のことでしょうか?

当然状況や見ている視点によって常に変わります。
マーケティングをしていく視点で言えばお客様、見込み客になってきます。

ではそのお客様の目線に立つ、ということはどういうことでしょうか?
その立場にたつということはその立場の状況を深く理解する必要があります。

これにはリサーチが必要不可欠となります。

相手が今どのような状況で、どんな行動をとっていて、心理状態はどうなっているのか、などを知る必要があるのです。
そのためには徹底的なリサーチが必要であり、その行動、心理状態の背景にある理由や原因を探ることによってより理解が深まります。

以上のように

  1. 「自身の目的の成果を得ること」
  2. 「相手目線に立つこと」

の2軸を意識しながらテストを行なっていくことがマーケティングを行う上で重要なポイントになります。

コアから考える(3つのC)

2つ目のマインドセット、「コアから考える」とはどういうことでしょうか?

自分らしさ(コア)

あなた自身が大事にしているもの、心の奥底にあり、ビジネスをしていく上での中心になるもの

伝えたいこと(コンセプト)

自分のコアを大切にしながら、お客様の需要を見極めながら、お客様目線に立ち伝えること

伝える力(コミュニケーション)

あなた自身が伝えたいことを正確に多くの人に伝えていく力

これらはそれぞれこのように置き換えることができます

  • 自分らしさ(コア)      → なぜ(Why)    
  • 伝えたいこと(コンセプト)  → どのように(How)
  • 伝える力(コミュニケーション)→ 何を(What)

これはゴールデンサークル理論というものに置き換えることができますが、コアとは『なぜ』です。
なぜその行動をするのか、つまりその行動の理由、目的です。

マーケティングを行う上では、目的から考えることが大切です。

※ゴールデンサークル理論とはフレームワークの一つで
「Why:なぜ」⇒「How:どうやって」⇒「What:何を」の順で想いを伝えると、
共感を生むことができるというものです。

多くの人や企業は「What:何を」から伝えてしまっており、なかなか伝えたいことを伝えきれずにいます。
さらには中心の「Why:なぜ」を伝えていないことがほとんどです。

どんな人でも、自分が「What:何を」しているのかは理解しています。
つまり自分の「行動」についてです。

そして、ある人々までは「How:どうやって」やるのかまでは理解しています。
自分と他人との「能力」の違いについてです。

しかし、「Why:なぜ」やるのかを理解している人は少ないと言います。
つまり、自分の「信念」について理解していないということです。

具体的な例を見て見ましょう。普通の人の伝え方

What:何を     「私は会社員です。」
How:どうやって   「エンジニアとしてアプリケーションを作っています。」
Why:なぜ      「・・・。」


多くの企業の伝え方

What:何を     「素晴らしいスペックのパソコンが誕生しました!」
How:どうやって   「美しいデザインで、動画編集もサクサク動かせます。」
Why:なぜ      「・・・。」

このように「What:何を」から考えてしまうと
「Why:なぜ」が見えなくなってしまうことがあります。

では、逆のパターンで「Why:なぜ」から伝えているパターンも見て見ましょう。
MacbookやiPhoneのメーカーであるAppleに熱狂的なファンが多いのは、
「Why:なぜ」から伝えているためだと言われています。

人は自分が「What:何を」するのかをわかっていても、それが行動する理由にはつながりません。
ですが、「Why:なぜ」行動するのか理由がわかることで、行動につき動かされるようになります。


Appleの伝え方

Why:なぜ      「私達は世界を変えられると信じて努力しています。その結果、」
How:どうやって   「美しいデザインで、動画編集もサクサク動かせます。」
What:何を     「素晴らしいスペックのパソコンが誕生しました!」


Appleの伝え方では「Why:なぜ」から始まり、多くの企業の伝え方と順番を入れ替えただけですが、信念が伝わっている分説得力が感じられます。

人は自分の「信念・価値観」に基づいて「行動」します。
「信念・価値観」は簡単に言い換えると、自分の経験に基づいた直感的な判断基準で、動機(行動する理由)と関係しています。

例えば、小さい頃に犬に噛まれて怖い思いをした人は、『犬は怖い!』という直感的な感情が生まれます。その経験は『犬が嫌い』という「信念・価値観」に変わり、犬を見たら逃げるという「行動」をします。
『借金をする人間は最低だ』という教育を受けたとしたら、『借金=悪、借金は嫌い』という「信念・価値観」が生まれます。そして、借金をしないような「行動」をします。

つまり、「信念・価値観」に基づいて「行動」する、というのが自発的な流れになります。

「信念・価値観」が伴わないまま「行動」するのは受動的な流れです。
子どもの頃、したくもない勉強をただ「しなさい!」と言われても、なかなか行動に移せなかった経験がある方もいると思いますが、それは自分の信念に基づかない、受動的な流れだったからなのです。

人は「なぜ」にあたる信念・価値観に基づいて行動をするので「なぜ ⇒ どうやって ⇒ 何を」の順で想いを伝える、コアから考えることで、共感を生むことができ、熱狂的なファンをつくることができるのです。

 

このコラムを書いた人

出雲生馬

IMP講師

元アパレルデザイナーという経歴を持つクリエイティブ系講師。
動画や画像などの作り物を得意としている。
ファッションや音楽といった自分の「好き」を仕事にしており、同様に「好き」を仕事にしたい方へのコンサルティング指導を3年以上行っている。
教え子の実績も数多く存在し、英会話、美容、恋愛、ダイエット、音楽、ファッションと多岐に渡る。

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