もし何か始めても埋もれてしまうんじゃないの?
個人のビジネスを小さいところから立ち上げていこうという時に
「既存のビジネスがあるんじゃないか?」「そこに勝つことができるのだろうか?」
といった疑問を持つこともあるかと思います。
結論から言えば何も意識せずにやっていたら埋もれてしまうでしょう。
しかし、それでも小さな規模で継続していくこと自体はできるでしょう。
街を歩けばたくさんのお店があり、どのお店もなんとかやっているという現実がそれを物語っています。何か特徴がないようなお店であっても人通りがある立地であったり、コアなファンがいればある程度はなんとかなるのです。
しかし、これからビジネスを始めるのであれば、そんな「ある程度なんとかなるかもしれない」といった希望的観測ではなく、根拠のある強みを持って事業を運営していかなければなりません。
他社、既存のビジネスに負けないような
USP(ユニークセリングプロポジション)=商品の独自性
つまり、他社との差別化、他社と比べた時の強みを持った状態で戦っていくことが個人でビジネスを展開する上で重要なポイントになります。
差別化と強み
お客様に価値を提供すれば買ってもらえるかというとそうもいきません。
その価値を提供しているのはあなただけではないからです。
競合が存在し、その競合商品よりも、あなたの商品の方が高い価値を提供し
それをお客様に納得していただく必要があります。
競合商品と全く同じであれば、安い方を買うでしょう。
あなたがコストリーダーであればそれでも良いかもしれませんが、
個人のビジネスにおいては特に難しい話です。
価格競争力を持つのは素晴らしいことですが、価格だけで勝負すると、体力勝負になってしまいます。
競合商品ではなく、あなたの商品を買う理由、競合商品との違いをお客様に訴える必要があります。
小売店の場合、扱っている商品が競合店と同じこともあるでしょう。
あなたの店から買う理由を納得していただく必要があります。
そうでなければ、泥沼の価格競争になり、負けた方は退場、勝った方も傷だらけ、となります。
何を持って差別化すると言うかと、あなたの商品の強みを使うのです。
普通、弱みで差別化することはありませんから、「差別化ポイント=あなたの強み」ということになります。
あなたが競合他社より強いところで差別化しようとしなければ、負ける、追いつかれるだけです。
強みが無かったらどうするの?
強みが無いことも実は多いのですが、それに対する答えは簡単です。探すか、作るかのどちらかになります。
どんな強みを作るのか、は戦略次第です。
それは、どんなお客様にどんな価値を提供したいのか、自分が得意とすることは何か、などによって変わります。
お客様は正直です。よりお客様にとって便利な方、より役立つ方、よりたくさんの情報を提供してくれる方、より見やすい方、より愛想のよい方、などから買うわけです。
それぞれが強みの例です。
強みがない、ということはありません。必ず何かはあるはずです。
強みについては、3つの方向性で考えることができます。
- 手軽軸:より低価格で、より便利に買いやすくする
- 商品軸:最新の技術の製品、最高のサービスを提供する
- 密着軸:お客様のことをよく知り、望み・わがままをかなえる
通常はこの3つのどれかで差別化することになります。
例えば、美容院 の場合
1)手軽軸
安くて早い理容店。例えば、10分1000円カット
2)商品軸
最新技術・流行を駆使するカリスマ美容師。表参道などの繁華街にある
3)密着軸
お客様のことをよく知り、おしゃべりもうまく、「いつもと同じね」と言えばいつも通りに切ってくれる
というような差別化戦略になります。
個人顧客対象、法人顧客対象を問わず、ほぼ全ての業種・業態でこのように差別化が行われています。
特にIMPでは密着軸で強みを作りUSPマーケティングを推奨していています。
なぜならば大きな企業よりも個人のビジネスの方が圧倒的に有利な軸だからです。
例えば大きな企業であればお客様ひとりひとりへの対応がマニュアル化されてしまいます。
これは母数が多い数字を扱っていく上でも、ある程度固定化、
システム化しなければならないポイントなのでどうしようもないことです。
しかし、個人の小さなビジネスであれば、お客様ひとりひとりへの対応をお客様に合わせて行うことができ、
臨機応変に対応できます。
具体的に例を出すとすれば、学校教育のようなものであれば、ある程度教える科目や時間配分などが決まっており、
生徒一人ひとりの要望に応えるということが難しく、
家庭教師であれば生徒の要望に応えたカリキュラム設定や弱点の補習など、
時間も内容も融通がきくように対応可能です。
今でこそ企業も顧客のニーズに応えるべく商品のカスタマイズやオーダーメイドなど多様性が生まれてきましたが、
大きな企業ほど小回りが利かないぶん、個人でのビジネスが圧倒的に有利なのです。